新バージョンのデバッガソフトPARTNER Ver.5.5の出荷を開始
新たにイベントトラッカー、Eclipse Plug-in機能を追加し、デバッグ作業を効率化

京都マイクロコンピュータ株式会社（本社：京都府京都市、代表取締役社長：山本彰一）は、本日、新バージョンのデバッガソフト「PARTNER Ver. 5.5」の出荷を開始したと発表しました。本バージョンは、新たに「イベントトラッカー」機能、「Eclipse plug-in for PARTNER-Jet」プラグインを追加＊1、また既存のヒストリ機能や検索・統計機能等も強化しています。PARTNER Ver. 5.5は、ARM、MIPS、SH、V850の各PARTNER-Jetに標準搭載され出荷されます。その他のCPUに関しても随時対応予定です。なお、年間保守サービスをご契約いただいているお客様は、アップデートソフトウェアを弊社Webサイトよりダウンロードの上、ご利用いただけます。

このたび、新たに標準機能として搭載されたイベントトラッカー機能は、ターゲットソフトウェアで発生する各種イベントを、デバッガを介してグラフィカルに表示します。例えばRTOSのプロセスやタスク、スレッドの遷移表示に最適で、Linux、Windows CE、T-Kernel、ITRON等、各種RTOSに対応しています。本機能は、PARTNER-Jetの一部として動作するので、JTAG ICEのCPUトレース機能と連携させることも可能です。イベントトラッカーでCPU占有の長い箇所を見つけ、そこからリアルタイムトレース機能を利用して実際に占有している関数や命令などを表示することができます。特に、大容量のトレースメモリ（1ギガバイト）を搭載した最新のPARTNER-Jet Model40と組み合わせることにより、400MHzクラスのARM11 CPUで約10秒間の実行命令履歴からイベントを検索することも可能です。また、マルチコアCPUやSMP CPUにも対応しているので、CPU単位の実行状況とプロセス、スレッドやタスクレベルでの実行遷移を同時に表示することができ、複数のCPUの利用効率をビジュアル化して表示することができます。本機能を利用することにより、デバッグ作業やパフォーマンス改善作業の効率化が可能になります。

さらに、本バージョンでは、大容量のトレースデータをより効果的に利用するために、ヒストリ機能や検索・統計機能も強化しました。イベントトラッカーと実行履歴を表示するヒストリウィンドウが連携し、ソフトウェアの実行動作と、CPUの命令レベルの実行履歴を相互に参照することができ、広い範囲から狭い範囲までを、効率よく調査・解析が出来るようになっています。

また、新たに出荷されたEclipse Plug-in for PARTNER-Jetは、Eclipse 3.2/CDT3.2、Eclipse 3.3/CDT 4.0に対応しています。本プラグインは、デバッグ時に専用デバッガではなく、Eclipse/CDTに含まれるデバッグパースペクティブから直接デバッグすることが可能なので、エディット・ビルド・デバッグの作業を、Eclipseの中で完結して行うことができます。もちろん、必要に応じて専用デバッガPARTNERを起動し、より細かなデバッグを行うことも可能です。オープンソースで実績ある統合開発環境EclipseとPARTNER-Jetの高性能なデバッグ機能により、大規模化するソフトウェア開発期間の短縮と開発環境の向上を実現します。Eclipse Plug-in for PARTNER-Jetは、年間保守契約ユーザーのお客様を対象に、弊社サポートサイトからダウンロードが可能です。

*	Eclipse Plug-in for PARTNER-Jetは、ARM、MIPS、SHシリーズのみ利用可能です。