KMC 京都マイクロコンピュータ| ARM、SH、Intel対応JTAGエミュレータ PARTNER-Jet2 The Debugging Evolution

ニュースリリース

京都マイクロコンピュータ株式会社ニュースリリース

2016年 6月 1日新製品計画についてのお知らせ

京都マイクロコンピュータ株式会社
株式会社KMG


RTOSと先進のClangコンパイラを一体化した
開発プラットフォーム SOLID を発表!

開発準備から性能解析までの作業をシンプルに変える

京都マイクロコンピュータ株式会社(以下KMCと記載)は、組み込み用マイクロプロセッサ向け開発環境とリアルタイムOSを統合した一体型ソフトウェア開発プラットフォーム 「SOLID」 を新規に提供することを発表します。組み込みシステムの開発準備段階からプログラムデバッグまで、SOLIDはシステムコンフィグレーションや実行時検証など一連の作業における開発者の快適さを追求した、新しいコンセプトのプラットフォームです。

新製品の概要

ソフトウェアプラットフォームSOLIDは、ARM®プロセッサで動作するリアルタイムOSであるSOLID-OSと、Windows® パソコン上で動作する統合開発環境SOLID-IDEから構成されます。 SOLID-OSはオープンソースITRON仕様のTOPPERS/ASP3カーネルを基盤とし、独自にメモリ管理機能やローディング機能の対応などを強化したものです。一方のSOLID-IDEは、VisualStudio®をベースに開発した統合開発環境で、エディタやビルダーそしてデバッガが含まれます。SOLID-IDEには実績が豊富なKMC製GCCコンパイラ(exeGCC)の他、新規にLLVM/Clangコンパイラも含まれます。 SOLIDでは、SOLID-OSにデバッグ支援用として強化したランタイムと、SOLID-IDEに含まれるClnagコンパイラの持つ充実した解析機能を連携させることにより、iOSアプリケーションで使われているXCode開発環境のAddress Sanitizer機能を実現することができました。スタック破壊などの実行時エラー検出機能や、またソースコードの静的解析機能など、豊富なデバッグ・解析支援機能を持つことを特徴としています。

新製品投入の背景と目的

これまで実時間制御を優先する組み込みシステムではOSレスによるフルシステム開発、もしくはリアルタイムOSやミドルウエアを複数のベンダーから導入しシステム構築をするという開発スタイルが主流でした。しかし、近年ARMプロセッサを組み込みシステムに採用するケースが増加しており、特にCortex®-Aシリーズなどハイエンドプロセッサではソフトウェアの規模・複雑さが共に急増し、開発環境の構築やデバッグの効率化がソフトウェア開発者の課題となってきています。また、Cortex®-Aシリーズを搭載した多くのデバイスでは標準BSPにLinuxが採用されております。LinuxはOSレス環境やリアルタイムOS環境に比べると、大規模で複雑なソフトウェアであるため、Cortex®-Aシリーズを使う開発者の方々でも、LinuxよりシンプルなRTOSベースで、かつ開発しやすいソフトウェアプラットフォームが使いたい、という声もありました。
KMCではこれまで多くのソフトウェア開発者の方々から開発環境に対するご要望やご意見をいただき、開発者の立場になって「効率良い開発環境とは何か?」「スマートな開発とは?」という課題に取り組んできました。そのような背景の元、開発者が本来の開発業務に最大のパフォーマンスを発揮するためのSOLIDという新しいソフトウェアプラットフォームを提供することになりました。
SOLIDの開発ツールは、エンジニアの方々の開発のしやすさ、を目標に設計しています。そして、開発のしやすさが、エンジニアの方々の開発の楽しさにつながるよう、SOLIDは enjoy Development のコンセプトを実現できるようデザインしております。是非次世代の開発スタイルにご期待ください。なお、SOLIDのリリースは2017年1Qを予定しています。

名古屋大学 大学院情報科学研究科 附属組込みシステム研究センター長,
TOPPERSプロジェクト会長 高田 広章 様のコメント

新しいソフトウェア開発プラットフォームのカーネルとして、TOPPERS/ASP3が採用されたことをうれしく思います。TOPPERS/ASP3はITRON仕様を発展させたTOPPERS第三世代カーネルの基本となる実装で、ティックレスによる高分解能時間管理などを特徴としています。SOLIDは、TOPPERSに新しい開発環境を組み合わせることで、効率的な組み込みソフトウェア開発が可能にするものと期待ができます。SOLIDがTOPPERSカーネルを使ったソフトウェアの開発プラットフォームとして、進化し続けることを期待します。

アーム株式会社 代表取締役社長 内海 弦 様のコメント

ARMプロセッサの高機能性を生かした、ITRONベースの新しいソフトウェアプラットフォームが提供されることをうれしく思います。このSOLID開発プラットフォームでは、従来のITRON以上にARMプロセッサの高性能なMMU, On Chip Debug機能が効果的に使われ、そしてClnagコンパイラとの組み合わせで効率のよいARMソフトウェア開発が可能になると期待しております。また、それによりIoT時代のARMソフトウェア開発が加速し、ARMプロセッサの普及にもつながっていくのではないかと思っております。

KMC SOLIDプロジェクト担当/株式会社KMG代表取締役社長 辻 邦彦のコメント

新しく提供するSOLID開発プラットフォームは、ITRONなどの環境でもARMプロセッサの開発性の良さを生かすべく設計しました。iOSアプリケーション開発はXCode開発環境により、Clangコンパイラと実行環境が高度に連携し、開発効率がよくなっております。SOLIDは、組み込みの世界で、このような環境を実現し、開発者の皆様にenjoy Development を実現していただけることを目的としています。ARMプロセッサとITRONの、新しい開発プラットフォームにご期待ください。



参考資料:20160601_SOLID_製品紹介.PDF(リンク先からダウンロード)

お問い合わせ先

株式会社KMG
info@kmg-inc.jp

用語および商標

LLVM/Clangは、Mac OS X、iOS、FreeBSD標準のコンパイラとして採用され、AndroidやWindowsでも利用できるオープンソースコンパイラです。Clangは主としてコンパイル時、リンク時、実行時などにプログラムを最適化ための、任意のプログラミング言語に対応するコンパイラフロントエンドです。LLVMは環境やターゲットに合わせたマシン語生成を行うコンパイラバックエンドです。

XCodeは、Mac、iPhone、iPadアプリを開発するために米国Apple Inc.が開発・リリースしているMac OS X向けの統合開発環境です。 ソースコードの編集だけでなく、デバック機能やiOSシミュレーターを利用した端末での動作解析などが行えます。

Address Sanitizerは、バッファオーバーラン(配列)やヒープオーバーラン(malloc)などを動的に検出する機能です。

BSPは、Board Support Package の略で、開発ボードなどのハードウェア上にオペレーティングシステムを実装しサポートするソフトウェアです。

本リリースに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。



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