Windows CE

特長

• ICEでWindows CEのソースコードデバッグが可能
• Release Buildで生成した最終製品ソフトウェアでのデバッグが可能
• デバッグモニタなどのシステム負荷無しの実動作速度でデバッグが可能
• JTAG以外の接続は不要
• ハードウェアブレークなどICE機能の利用も可能
• PARTNERデバッガのイベントトラッカー機能で、スレッドやプロセス遷移状況の表示が可能
• eXDI2に対応し、Visula Studio 2005からの利用も可能

ICEでWindows CEのソースコードデバッグが可能

PARTNER-JetのWindows CE対応は、Microsoft社のWindows CE用コンパイラの出力するソースコードデバッグ情報に対応しているため、Platform BuilderやeMbedded Visual C/C++、またVisula Studio 2005などを使わずにソースコードデバッグが可能です。また、Windows CEのMMU空間にも対応しているので、ブートローダやカーネルだけでなく、アプリケーションやドライバのDLL部分まで、Windows CEデバイスで動作するC/C++ソフトウェアの全てがデバッグできます。

Release Buildで生成した最終製品ソフトウェアでのデバッグが可能
デバッグモニタなどのシステム負荷無しの実動作速度でデバッグが可能

PARTNER-Jetは、デバッグ用のDebug Buildだけでなく、出荷用のRelease Build設定で生成されたソフトウェアもデバッグが可能です。また、ビルドだけでなく、ターゲットデバイス上で動作するデバッガ補助プログラム（Kernel Debuggerサービスやcemonなど）が必要ありません。このため、デバッガ補助プログラムのターゲット資源が全くなく、CPU負荷やメモリ負荷が最終製品と同じ状態でのデバッグが可能になります。これにより、デバッグの速度が改善され、ビルド＆デバッグがストレス無く行えるなど、最終製品の状態でしか発生しない複雑なバグの問題解析にも役立ちます。

JTAG以外の通信接続は不要

従来Platform BuilderやeMbedded Visual C/C++でデバッグする場合には、ターゲットデバイスとRS232C/Ethernet/USBなどの何らかの通信デバイスを介して、ターゲット上で動作するデバッガ補助プログラムと通信する必要がありました。例えばUSBしか付いていない携帯オーディオプレイヤなどの場合には、USBを製品ソフトウェアの通信とデバッグの為の通信で共有しなければならず、これがデバッグの効率を落とす場合があります。PARTNER-Jetでのデバッグは、JTAG以外の通信を必要としないので、ターゲットハードウェアに搭載している通信デバイスは、全て動作するソフトウェアに解放することができます。

ハードウェアブレークなどICE機能の利用も可能

PARTNER-Jetを使用することにより、ICEが持っている高度なデバッグ機能も利用することができます。H/Wブレークポイントを利用したメモリアクセスの監視なども可能です。特にARM9 CPUでは、H/WブレークポイントはJTAGデバッガからの利用に限られるのですが、PARTNER-Jetを使えば問題なく行えます。 他にPARTNER-Jetの特徴であるマルチコアデバッグ機能を使って、マルチコア環境でのWindows CEの開発にも利用することもできます。また、フラッシュメモリ書き込みなど、PARTNER-Jetが従来持っている機能を全て利用可能です。

PARTNERデバッガのイベントトラッカー機能で、スレッドやプロセス遷移状況の表示が可能

PARTNER-Jetのイベントトラッカー機能では、各種OSでのタスクやプロセスの遷移状況をグラフィカルに表示することができ、Windows CEデバッグオプションにも対応しています。イベントトラッカーは、プロセスやスレッドの遷移状態を表示することや、任意のイベントの状態を重ねあわせて表示することも可能で、開発したソフトウェアをマクロ的な解析を行うのに役立ちます。さらに、ETMトレースやAUDトレースなど、CPUの実行トレース機能とも連携可能で、PARTNER-Jet M40のギガトレースと組み合わせれば、イベントトラッカーでプロセスやスレッドレベルのマクロな解析を行い、そのままシームレスに実行トレースを用いた関数や命令レベルのミクロな解析が可能になります。

eXDI2に対応し、Visual Studio 2005からも利用可能

PARTNER-JetのWindows CEデバッグオプションは、Windows Embedded CE 6.0用に開発されたVisual StudioからICEを利用する最新の仕様eXDI2に対応します。これにより、使い慣れたVisual Studio 2005のデバッガからPARTNER-Jetが利用できます。もちろん、Visual Studio 2005デバッガからPARTNER-Jetを利用してデバッグしている時でも、PARTNERデバッガを途中から立ち上げることで、よりハードウェアに密接なデバッグを行うことが可能です。

• 注意
• Windows CEのデバッグを行うには、PARTNER-Jetの他に、Windows CE用デバッグオプション価格100,000円＋税が必要です。詳細はお問い合わせください。
  

 

Windows Embedded CE 6.0デバッグ機能比較

デバッグ対象

	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
EBOOT	○	○	×	×	△(※2)
カーネル本体	○	○	△(※1)	×	△(※2)
OEM Adaptation Layer	○	○	△(※1)	×	△(※2)
カーネル空間ドライバ	○	○	○	×	×
ユーザー空間ドライバ	○	○	○	×	×
ROM化アプリケーション	○	○	○	○	×
ファイルアプリケーション	○	○	○	○	×

システムに対する影響

	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ターゲットメモリの使用	なし	ROM/RAM	ROM/RAM	RAM
デバッグによる パフォーマンス負荷の増大	なし	小	中	中〜大
ターゲットコードの変更 (デバッグ機能の付加など)	なし	あり	あり	あり

各デバッグ機能詳細

EBOOT	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ソースコードデバッグ	○	○	×	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○	×	×	△(※2)
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	△(※2)
S/Wブレークポイント	○	○	×	×	△(※2)
リアルタイムトレース	○	×	×	×	×(※3)
カーネル本体	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○	×	×	△(※2)
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	△(※2)
S/Wブレークポイント	○	○	○	×	△(※2)
リアルタイムトレース	○	×	×	×	×(※3)
OEM Adaptation Layer	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○	×	×	△(※2)
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	△(※2)
S/Wブレークポイント	○	○	○	×	△(※2)
リアルタイムトレース	○	×	×	×	×(※3)
カーネル空間ドライバ	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○	×	×	×
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	×
S/Wブレークポイント	○	○	○	×	×
リアルタイムトレース	○	×	×	×	×
ユーザー空間ドライバ	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○(※4)	×	×	×
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	×
S/Wブレークポイント	○	×	○	×	×
リアルタイムトレース	×(※6)	×	×	×	×
ROM化アプリケーション	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
同時に複数のアプリケーションを デバッグ	○	○	○	×	×
マルチスレッドデバッグ	○	○	○	○	×
アプリケーションブレーク中に カーネル空間の参照	○	○	○	×	×
アプリケーションブレーク中に、 他プロセス空間の参照	○	○	○	×	×
アプリケーションの即時ブレーク	○	○	○	×	×
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○(※4)	×	×	×
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	×
S/Wブレークポイント	○	×	○	×	×
リアルタイムトレース	×(※6)	×	×	×	×
ファイル化アプリケーション	PARTNER-Jet	eXDI2	カーネル デバッガ	アプリケーション デバッガ	一般のICE
同時に複数のアプリケーションを デバッグ	○	○	○	×	×
マルチスレッドデバッグ	○	○	○	○	×
アプリケーションブレーク中に カーネル空間の参照	○	○	○	×	×
アプリケーションブレーク中に、 他プロセス空間の参照	○	○	○	×	×
アプリケーションの即時ブレーク	○	○	○	×	×
ソースコードデバッグ	○	○	○	×	×
H/Wブレークポイント(命令実行)	○	○(※4)	×	×	×
H/Wブレークポイント(データアクセス)	○	○(※5)	×	×	×
S/Wブレークポイント	○	×	○	×	×
リアルタイムトレース	×(※6)	×	×	×	×

※1 WindowsCEに組み込んだデバッグモジュールの起動前や、また割り込みハンドラなどはデバッグできません。

※2 ソースコード、シンボルデバッグはできません。MAPファイルからアドレスを求めて、シンボル無しの機械語デバッグのみになります。

※3 実行トレースの採取はできますが、シンボルが読めないので、通常の実行履歴再現はこと実上できません。

※4 ブレークポイントが自動的にH/Wブレークになります(S/Wブレークが使えないため)。そのため、デバッガで利用できるブレークポイントの数が限られます。

※5 現在のPARTNER-JetのeXDI2ドライバでは使えません。利用可能になるよう、2007年9月現在検討中です。

※6 アプリケーションのリアルタイムトレースに対応できるよう、2007年9月現在検討中です